亜鉛の歴史

亜鉛は、サプリメントも多く販売されており、健康志向の方にとっては必需品ともいえるミネラルのひとつです。そんな亜鉛には、古い歴史があります。

名前の由来
日本語で亜鉛を「亜鉛」と呼ぶようになった由来は、鉛に似ていたためであると言われています。英語では「zinc」、ドイツ語では「zink」と呼ばれます。これは、ドイツ語で「金属」という意味を持つ「zinke」からきていると言われています。

紀元前
亜鉛は紀元前から使用されている物質のひとつです。当時から、銅との合金である真鍮が使われており、亜鉛の化合物が傷の治療に使われていたことが分かっています。真鍮は、初代ローマ皇帝であるアウグストゥスの時代に、その製法が生み出されたと考えられています。

製造の伝来と分離の成功
13世紀になると、世界を航行する冒険家が非常に多く目立ちました。その中でも、イタリアの旅行家であったマルコ・ポーロは、ペルシャで酸化亜鉛の製造方法を伝えたと言われています。また、自然界に単体で存在することのない亜鉛を、1746年にドイツの科学者であったマルクグラーフが、亜鉛を化合物から分離させることができました。

1961年のイラン
亜鉛が欠乏することによって、子供の成長に影響があることが分かったのが、1961年のことです。当時のイランでの子供の食事では、ポテト、ミルク、イーストを使わないパンだけでした。そのため、からだが十分に成長できず、貧血を起こしたり、性機能が低下したりしました。その子供たちの毛髪を調べると、亜鉛が欠乏していることが分かり、亜鉛を摂取させると症状が改善したことから、亜鉛が欠乏すると良くないことが分かりました。

1975年
成人も亜鉛欠乏症になってしまうことが分かったのが、1975年のことでした。当時はまだ、鉄、亜鉛、マンガンなどの微量栄養素の存在があまり知られておらず、高カロリー輸液にそれらは配合されていませんでした。すると、その高カロリーで栄養補給を受けていた患者が、様々な欠乏症を発症しました。そのことから、微量栄養素の重要性が明らかになり、現在では、高カロリー輸液には必ず微量栄養素が配合されています。