亜鉛を多く含む食品、同時に摂ると吸収が上がる食べ物

亜鉛は体にとって重要なミネラルなので、亜鉛が欠乏したり、逆に摂りすぎて過剰になったりしないために、バランスの良い食事を心がける必要があります。それには、どんな食品に亜鉛が多く含まれているか知っておくことは大切です。

ちなみに、1日の亜鉛の必要摂取量として、成人男子では10ミリグラム、成人女子では8ミリグラムと言われています。この目安を覚えておいて、どのような食べ物をどれぐらい食べればいいか検討してみましょう。

参考:日本人の食事摂取基準(2015年版)

亜鉛を多く含む食品

瀬戸内海で採れた新鮮な牡蠣

亜鉛は、多くの食べ物の中に含まれています。とりわけ多いのが、牛肉などの肉類、牡蠣を中心とした魚類、チーズなどの乳製品です。特に牡蠣には亜鉛を多く含む上に他の重要な栄養素も多く含まれていることから、サプリメントの原料に使われることも多くあります。

肉類

牛肉であれば、各部位に亜鉛がたくさん含まれています。加工食品のビーフジャーキーでも、100グラムあたり、8ミリグラム前後の亜鉛が含まれていますが、ビーフジャーキーは塩分が多く含まれているので、摂りすぎると大変なことになってしまいます。

豚の肝臓で100グラムあたり6ミリグラム前後、牛の肩肉で100グラムあたり4ミリグラム前後の亜鉛を摂取することができるので、肉類は非常にたくさん亜鉛が含まれています。

魚類

魚類の中でダントツに亜鉛を多く含むものといえば、カキです。100グラムあたりの含有量は13ミリグラム前後と、亜鉛を含む食品の中でもトップクラスを誇ります。

他に魚類の中で亜鉛の多いものといえば、カラスミで100グラムあたり9ミリグラム前後、煮干しで100グラムあたり7ミリグラム前後、するめで100グラムあたり5ミリグラム前後含まれています。

カラスミやするめはビーフジャーキーと同じように、塩分が多いものなので、食べ過ぎないように注意することが必要です。

乳製品

チーズ類にも亜鉛は豊富に含まれています。チーズの中でもパルメザンチーズでは亜鉛の含有量が100グラムあたり7ミリグラム前後、エダムチーズ、チェダーチーズでは100グラムあたり4ミリグラム前後の亜鉛が含まれています。

ちなみに、チーズ100gとはスーパーで売っている6ピースパックのチーズまるまる1つ分ぐらいです。普通の人は一日に食べても1、2ピースぐらいなのでチーズの他の食材で1日の必要量を補ってください。

その他

その他にも、亜鉛を豊富に含んだ食品はたくさんあります。ごま、カシューナッツであれば100グラムあたり5ミリグラム前後、味付け海苔は100グラムあたり3ミリグラム前後、卵黄は100グラムあたり4ミリグラム前後の亜鉛が含まれています。

どれかひとつだけをたくさん摂ればいいというものでもないので、たくさんの種類の食品を満遍なく摂取するのは良い方法です。

亜鉛と同時に摂るとよい食べ物・悪い食べ物

亜鉛の吸収率を上げるレモン

亜鉛の吸収率は10パーセントから30パーセントと、他のミネラルと比べても高い方ではありません。しかし、バランスの良い食事を摂っていれば、亜鉛欠乏の心配を過剰にする必要はありません。

しかし、食べ合わせによっては亜鉛を吸収しやすい条件と、吸収しにくい条件があるので、それを知っておくのはバランスの良い食事をするためにも大切なことです。

亜鉛の吸収をよくする食べ物

亜鉛には、一緒に摂ることによって吸収率をあげてくれる栄養素があります。まず、動物性たんぱく質です。動物性たんぱく質は、肉や魚類のことですね。動物性たんぱく質と一緒に亜鉛を摂ることによって、亜鉛の吸収を妨げるものから守ってくれ、亜鉛の吸収を促してくれます。

次に、クエン酸です。クエン酸には吸収されにくい成分を吸収されやすい成分に変えるキレート作用があるので、亜鉛の吸収を促進してくれます。CMなどでよく「キレート○○」とうたっているものがありますが、それはこのキレート作用にかけたものです。

そして、亜鉛と一緒に摂った方がいいものと言えば、ビタミンCです。ビタミンCにもキレート作用があって、亜鉛の吸収を促進してくれるので、クエン酸とビタミンCを備え持つレモンは、亜鉛にとって大事な救世主といえそうです。

亜鉛の吸収を悪くする食べもの

吸収を良くしてくれるものがある一方で、吸収を悪くしてしまうものもあります。まず、食物繊維です。食物繊維には、亜鉛と結びついて吸収を妨げ、一緒に排せつされてしまうものがあります。

次に、フィチン酸です。小麦製品や、インスタント製品に多く含まれるフィチン酸は、亜鉛と結合しやすいので、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。

そして、アルコールです。これは吸収を悪くするというよりも、たくさんの亜鉛を消費してしまうというものですが、亜鉛は様々な代謝に関連しており、アルコール分解のときにも、その役割を果たそうとしてくれます。

その際にたくさんの亜鉛を消費してしまうので、通常よりも多くの亜鉛を必要とします。また、激しい運動をするのも、たくさんの亜鉛を消費するので、スポーツ選手などは意識的に亜鉛を取り入れる必要があります。

亜鉛が不足すると起きる症状:味覚障害、精子減退など

健康を維持するために必要なミネラルのひとつである亜鉛。亜鉛が不足したり、摂りすぎてしまったりしたら、どうなってしまうのでしょうか。ここでは、亜鉛の吸収率や不足すると起きる症状について説明します。

亜鉛はなぜ不足しやすいのか?

亜鉛の吸収率は、10パーセントから30パーセントと、そんなに高いとは言えません。しかも、摂取量や亜鉛と同時に摂取した銅などによっても左右されます。また昇圧薬などと一緒に服用すると、亜鉛の吸収率は悪くなると言われているので、注意が必要です。

さらに、インスタント食品などの加工食品には、亜鉛の吸収を悪くするシュウ酸といわれる添加物が含まれているので、カップラーメンなどばかり食べると亜鉛が不足してしまうことになります。

亜鉛の吸収率をあげるには、野菜などの植物性のものよりも、肉や魚などの動物性のものを摂取することが必要です。また、ビタミンCと共に摂取すると、吸収率があがるので、柑橘系のものと一緒に食べるのも有効です。

亜鉛が不足すると

亜鉛が不足すると、亜鉛欠乏症になってしまいます。亜鉛は細胞分裂に必要な成分のひとつであるため、細胞の生まれ変わりが活発な箇所で欠乏症がみられることが多いです。その最も代表的な欠乏症として、味覚障害があります。

舌細胞は、細胞の生まれ変わりが盛んな部分のひとつで、欠乏症を発症してしまい、味を感じなくなったり、変な味を感じるなどの症状が現れます。その他にも、貧血や免疫機能の低下、下痢、脱毛など様々な症状が現れます。

男性の場合は、精子数の減少、女性の場合は、妊娠中であれば胎児の成長不良を引き起こす原因になります。

亜鉛を摂りすぎると

反対に、亜鉛を摂りすぎてしまうと、どうなってしまうのでしょうか。亜鉛は毒性の低いミネラルのひとつであると言われています。したがって、ちょっと摂りすぎてしまったからといって、心配する必要はありません。

しかし、一度に大量に摂りすぎてしまったり、少し摂りすぎの状態を長い期間続けてしまったりすると、亜鉛過剰症を引き起こしてしまいます。その場合、めまいや吐き気、胃障害、神経症などが現れます。

また、老化の原因にもなる活性酸素と戦ってくれる抗酸化酵素のはたらきが低下してしまうので、お肌のトラブルを引き起こしてしまいます。

亜鉛不足での症状

亜鉛が不足したからといってすぐに自分で気づくかと言われると、そうでもありません。亜鉛は様々な食品に含まれているので、飽食の日本であれば亜鉛不足はあまり顕著になりません。

しかし、偏った食事のせいで亜鉛不足気味と言うのは起こりうることなので、自分はどうなのかチェックしてみましょう。

肌荒れ、シミ、抜け毛

亜鉛は、細胞分裂に重要なはたらきかけをしてくれるミネラルのひとつです。亜鉛が不足してしまうと、活発な細胞分裂が行われにくくなります。したがって、新しい細胞が形成されにくく、皮膚の形成や髪の毛の形成が遅れてしまいます。そのため、お肌トラブルを起こしたり、抜け毛を起こしたりしてしまいます。

二日酔いを起こしやすくなった

以前はそうでもなかったのに、二日酔いを起こしやすくなったとしたら、それは亜鉛不足が原因かもしれません。亜鉛は、アルコールを分解する酵素の重要な構成組織なので、亜鉛が不足すると上手くアルコールを分解してくれなくなり、二日酔いを引き起こします。

味がしない、変な味がする

亜鉛が欠乏すると、味覚障害が起こります。それは、活発な細胞のひとつである舌細胞のはたらきが欠乏してしまうからです。亜鉛は、この舌細胞にとって重要な役割を果たしているので、欠乏すると味を感じなくなったり、変な味を感じたりしてしまいます。

生殖機能の低下

亜鉛は、男性の生殖機能にも、女性の生殖機能にも大切なはたらきをしています。したがって欠乏してしまうと、男性であれば勢力の衰えなど、女性であれば妊娠しにくくなるなどがあげられます。

亜鉛は精子にとって重要なはたらきをしており、卵子にもたくさんの亜鉛が必要とされるからです。

立ちくらみ

亜鉛が不足すると、血圧の調整を上手くすることができなくなります。したがって、貧血の原因にもなるので、立ちくらみを起こしてしまいます。

以上のような現象が起きると、体内に亜鉛が不足している可能性があるので、亜鉛を多く含む食べ物を意識して亜鉛を多めに摂取するようにしてみましょう。

亜鉛を多く含む食品

また、インスタント食品などが多く、明らかに亜鉛が不足しやすい環境であれば、サプリメントを利用するのもいいでしょう。

亜鉛サプリとその選び方

亜鉛の効果と効能とは:亜鉛には体にうれしい効果がたくさん!

体内のデトックス効果も期待できるミネラルとして近年注目を浴びている亜鉛ですが、そんな亜鉛には、どんな効果があるのでしょうか。ここでは、男性にも女性にもうれしい亜鉛の様々な効果についてみていきます。

亜鉛の効果:肌や髪など体のすべてに作用

肌のハリとツヤを確認する女性

亜鉛は、細胞に大きく関連するミネラルなので皮膚や髪といった新陳代謝を繰り返す部分、成長に関連する部分に作用します。

うるおいお肌を生成してくれる

亜鉛は、ビタミンCとともに、コラーゲンの生成をしてくれます。コラーゲンは、皮膚や骨を生成するのに欠かせないものです。コラーゲンが不足してしまうと、しみやそばかすの原因となってしまい、お肌トラブルを引き起こしてしまいます。美しいうるおいのあるお肌を保つためにも、亜鉛を摂取することは非常に重要になります。

味覚を正常に保つ

美味しい食べ物を美味しいと覚知するためには、味覚が正常でなければなりません。味覚は、舌に存在する味細胞のはたらきによって感じます。味細胞は非常に新陳代謝が活発な細胞のひとつで、30日で新しい細胞に生まれ変わると言われています。

新陳代謝の活発な細胞のあるところには亜鉛あり、ということで、舌細胞の形成に亜鉛が多く含まれています。したがって、亜鉛が不足してしまうと、味細胞が正常に生成されず、味覚障害を引き起こしてしまいます。

生殖をするために

亜鉛は、男性であれば、前立腺に多く存在するミネラルです。細胞に大きく寄与するミネラルなので、精子を作るのに必要であり、受精機能に関わる精子のはたらきにも関わっています。そして、精力に重要な男性ホルモンテストステロンに関係する酵素の生成にも関わっています。また、亜鉛は、受精卵が細胞分裂するときにも必要となるので、人間が生殖をして子孫を残すためには必要なミネラルであると言えます。

からだの成長には欠かせない

亜鉛は身長の伸びにも重要

身長を伸ばすためには、睡眠や運動が大切ですが十分な栄養素をとることもかなり重要なことです。特にタンパク質や亜鉛を中心としたミネラルは骨を成長させるために重要な栄養素。バランスの良い食事を心がけてください。

参考:身長を伸ばすサプリ

体内にある細胞のうち、亜鉛はその95パーセントに含まれていると言われています。したがって、亜鉛はからだの健康を維持するのに大切なはたらきをしてくれます。そんな亜鉛は、様々な研究が行われています。

乳幼児の成長との関係
乳児や幼児の成長と、亜鉛がどう関係あるのかという研究がBrown KH氏らの研究チームによってなされました。これは2945名を対象に研究したもので、亜鉛を一日当たり1から50ミリグラムを8週間以上摂取させる方法で調査が行われました。

その結果、生後6カ月前後の時期に、発育において、亜鉛を摂取した乳幼児の方が、発育が良いという顕著な結果が得られました。このことから、亜鉛は乳幼児の発育不良を予防してくれるミネラルのひとつであると考えられています。

その他の亜鉛の作用

右腕の血流を確認する

血流の改善との関係

亜鉛を含む抗酸化物質は、血流にとってどんな影響を及ぼすのか、という研究がArnaud J氏らの研究チームによってなされました。

この研究は、健康なからだをもつ人186名を対象に行われたもので、抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンE、βカロテン、セレン、亜鉛の5種類を一日にそれぞれ、120ミリグラム、30ミリグラム、6ミリグラム、100マイクログラム、20ミリグラムを2年間摂取させる方法で調査が行われました。

その結果、血流改善作用と心血管疾患を抑制する効果が示されました。それだけではなく、尿中の炎症物質や血小板活性化指標の増加も抑制されました。

食欲増進との関係

亜鉛と食欲増進はどんな関係があるのか、という研究がCampos D Jr氏らの研究チームによってなされました。これは、好き嫌いをするなどして偏った食事を摂っていない小児20名を対象に行われたもので、亜鉛を一日に1ミリグラム毎キログラムを6カ月間摂取させるという方法で調査が行われました。

その結果、小児たちの偏食の改善が認められるようになりました。これは、味覚を正常に保つという亜鉛の効果が発揮されたもので、今まで感じなかった味や、変な味しか感じていなかった味覚が改善されて美味しく感じるようになり、偏食が改善されたと考えられています。

亜鉛で予防できること

生活習慣病を予防するために運動をする男女

健康維持をするために必要な亜鉛は、細胞分裂が活発に起きるところに多く存在しているので、亜鉛を十分に摂ることによって、様々なことが引き起こされるのを予防してくれます。予防だけでなく、改善もしてくれるので、それでお悩みという方は、ぜひ知っておきたいというところです。

抜け毛の予防

亜鉛が細胞分裂の活発であるところに多く存在する理由として、細胞分裂を助けるはたらきがあるからだと言われています。亜鉛は酵素の構成成分のひとつとなって代謝を促すので、細胞分裂によって行われる頭皮や毛髪の生まれ変わりを促してくれます。

したがって、過度な抜け毛の予防もしてくれる心強い味方です。また、毛髪はタンパク質であり、亜鉛はタンパク質の合成にもはたらきかけてくれるので、髪の毛に不安がある方は、亜鉛を摂ることが必要です。

生活習慣病の予防

亜鉛には、生活習慣病の予防にも一役買ってくれると言われています。生活習慣病のひとつとされている糖尿病に対しては、亜鉛のはたらきかけによって、インスリンが過剰に分解されてしまうのを抑制してくれます。

糖尿病は、インスリンが少ないことによって引き起こされるので、それを防いでくれるわけです。また、コレステロールの上昇を抑制してくれるので、高い血圧を下げてくれる効果があります。

血圧が高すぎると、高血圧症や、動脈硬化によって引き起こされる生活習慣病が発症してしまうので、血圧を下げることによって、それらの発症を予防してくれます。

二日酔いを防ぐ

亜鉛は、アルコールの分解に関して、非常に重要な役割を担っています。アルコールは、アセトアルデヒドと酵素によって分解されます。

亜鉛は、酵素の重要な構成のひとつなので、亜鉛がはたらきかけてくれることによって、アルコールを分解してくれます。このアルコールの分解がうまくいかないと、二日酔いや肥満を引き起こします。したがって、お酒を飲む習慣のある人は、日頃から亜鉛を多めに摂取することが必要です。

亜鉛とは:亜鉛の歴史や概要について

健康志向の高い方が注目しているミネラルのひとつである亜鉛ですが、そもそもどういったものなのでしょうか。

必須ミネラル

亜鉛は体内に存在する酵素のうち、300種類前後の酵素の組成に必要なミネラルのひとつです。酵素は体内の合成や分解に欠かせないものなので、それの組成に必要である亜鉛は、必須ミネラルであると言えます。亜鉛が不足すると、多くの酵素に異常をきたしてしまうので、不足しないようにすることが大切です。

存在場所

亜鉛は、正常であれば体内に2グラム前後あり、特に血液や皮膚に存在しています。基本的に新陳代謝の良い細胞に存在しているので、腎臓や肝臓、脳、骨、毛髪、男性であれば前立腺に多く存在しています。体内に存在する亜鉛のうち、95パーセントは細胞内に存在しています。そうすることによって、新陳代謝を助けていると言われています。

サビ止めとしての亜鉛

亜鉛は、体内に摂取するものだけではありません。金属元素のひとつです。湿った空気中であれば酸素と結びついて、被膜を生じさせます。銅と亜鉛の合金である真鍮は、5円玉や金物に使われており、鉄に亜鉛をメッキしたトタンは、サビを防ぐ効果があるので、雨にさらされる場所に使われることが多いです。

デトックスサプリ

亜鉛は、デトックスサプリとして注目を浴びているミネラルのひとつです。体内の有害物質を捕まえて排せつさせるタンパク質を、誘導してくれます。デトックスダイエットのひとつであるファスティングダイエットを行う時に、亜鉛のサプリメントを摂取している人もいます。これは、デトックスの効果を十分に得るためであると言われています。

亜鉛が不足する心配

亜鉛は、通常のバランスの良い食事を摂っていれば、亜鉛不足を心配する必要はありません。しかし、インスタント食品などは、食品加工過程で亜鉛が失われることが多いため、インスタント食品ばかり食べている人は亜鉛不足になりがちです。亜鉛が不足すると、味覚障害なのどの異常をきたすおそれがあるので、なるべく亜鉛が摂取できるような食事を心がけましょう。

亜鉛の歴史

亜鉛の名前の由来

日本語で亜鉛を「亜鉛」と呼ぶようになった由来は、鉛に似ていたためであると言われています。英語では「zinc」、ドイツ語では「zink」と呼ばれます。これは、ドイツ語で「金属」という意味を持つ「zinke」からきていると言われています。

紀元前

亜鉛は紀元前から使用されている物質のひとつです。当時から、銅との合金である真鍮が使われており、亜鉛の化合物が傷の治療に使われていたことが分かっています。真鍮は、初代ローマ皇帝であるアウグストゥスの時代に、その製法が生み出されたと考えられています。

製造の伝来と分離の成功

13世紀になると、世界を航行する冒険家が非常に多く目立ちました。その中でも、イタリアの旅行家であったマルコ・ポーロは、ペルシャで酸化亜鉛の製造方法を伝えたと言われています。また、自然界に単体で存在することのない亜鉛を、1746年にドイツの科学者であったマルクグラーフが、亜鉛を化合物から分離させることができました。

1961年のイラン

亜鉛が欠乏することによって、子供の成長に影響があることが分かったのが、1961年のことです。当時のイランでの子供の食事では、ポテト、ミルク、イーストを使わないパンだけでした。そのため、からだが十分に成長できず、貧血を起こしたり、性機能が低下したりしました。その子供たちの毛髪を調べると、亜鉛が欠乏していることが分かり、亜鉛を摂取させると症状が改善したことから、亜鉛が欠乏すると良くないことが分かりました。

1975年

成人も亜鉛欠乏症になってしまうことが分かったのが、1975年のことでした。当時はまだ、鉄、亜鉛、マンガンなどの微量栄養素の存在があまり知られておらず、高カロリー輸液にそれらは配合されていませんでした。すると、その高カロリーで栄養補給を受けていた患者が、様々な欠乏症を発症しました。そのことから、微量栄養素の重要性が明らかになり、現在では、高カロリー輸液には必ず微量栄養素が配合されています。