亜鉛とは

健康志向の高い方が注目しているミネラルのひとつである亜鉛ですが、そもそもどういったものなのでしょうか。

必須ミネラル

亜鉛は体内に存在する酵素のうち、300種類前後の酵素の組成に必要なミネラルのひとつです。酵素は体内の合成や分解に欠かせないものなので、それの組成に必要である亜鉛は、必須ミネラルであると言えます。亜鉛が不足すると、多くの酵素に異常をきたしてしまうので、不足しないようにすることが大切です。

存在場所

亜鉛は、正常であれば体内に2グラム前後あり、特に血液や皮膚に存在しています。基本的に新陳代謝の良い細胞に存在しているので、腎臓や肝臓、脳、骨、毛髪、男性であれば前立腺に多く存在しています。体内に存在する亜鉛のうち、95パーセントは細胞内に存在しています。そうすることによって、新陳代謝を助けていると言われています。

サビ止めとしての亜鉛

亜鉛は、体内に摂取するものだけではありません。金属元素のひとつです。湿った空気中であれば酸素と結びついて、被膜を生じさせます。銅と亜鉛の合金である真鍮は、5円玉や金物に使われており、鉄に亜鉛をメッキしたトタンは、サビを防ぐ効果があるので、雨にさらされる場所に使われることが多いです。

デトックスサプリ

亜鉛は、デトックスサプリとして注目を浴びているミネラルのひとつです。体内の有害物質を捕まえて排せつさせるタンパク質を、誘導してくれます。デトックスダイエットのひとつであるファスティングダイエットを行う時に、亜鉛のサプリメントを摂取している人もいます。これは、デトックスの効果を十分に得るためであると言われています。

亜鉛が不足する心配

亜鉛は、通常のバランスの良い食事を摂っていれば、亜鉛不足を心配する必要はありません。しかし、インスタント食品などは、食品加工過程で亜鉛が失われることが多いため、インスタント食品ばかり食べている人は亜鉛不足になりがちです。亜鉛が不足すると、味覚障害なのどの異常をきたすおそれがあるので、なるべく亜鉛が摂取できるような食事を心がけましょう。

亜鉛の歴史

亜鉛の名前の由来

日本語で亜鉛を「亜鉛」と呼ぶようになった由来は、鉛に似ていたためであると言われています。英語では「zinc」、ドイツ語では「zink」と呼ばれます。これは、ドイツ語で「金属」という意味を持つ「zinke」からきていると言われています。

紀元前

亜鉛は紀元前から使用されている物質のひとつです。当時から、銅との合金である真鍮が使われており、亜鉛の化合物が傷の治療に使われていたことが分かっています。真鍮は、初代ローマ皇帝であるアウグストゥスの時代に、その製法が生み出されたと考えられています。

製造の伝来と分離の成功

13世紀になると、世界を航行する冒険家が非常に多く目立ちました。その中でも、イタリアの旅行家であったマルコ・ポーロは、ペルシャで酸化亜鉛の製造方法を伝えたと言われています。また、自然界に単体で存在することのない亜鉛を、1746年にドイツの科学者であったマルクグラーフが、亜鉛を化合物から分離させることができました。

1961年のイラン

亜鉛が欠乏することによって、子供の成長に影響があることが分かったのが、1961年のことです。当時のイランでの子供の食事では、ポテト、ミルク、イーストを使わないパンだけでした。そのため、からだが十分に成長できず、貧血を起こしたり、性機能が低下したりしました。その子供たちの毛髪を調べると、亜鉛が欠乏していることが分かり、亜鉛を摂取させると症状が改善したことから、亜鉛が欠乏すると良くないことが分かりました。

1975年

成人も亜鉛欠乏症になってしまうことが分かったのが、1975年のことでした。当時はまだ、鉄、亜鉛、マンガンなどの微量栄養素の存在があまり知られておらず、高カロリー輸液にそれらは配合されていませんでした。すると、その高カロリーで栄養補給を受けていた患者が、様々な欠乏症を発症しました。そのことから、微量栄養素の重要性が明らかになり、現在では、高カロリー輸液には必ず微量栄養素が配合されています。